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事業計画書のつくり方

 

株式会社WOOC 代表取締役の阪谷泰之です。

私も職業柄、何度か創業計画書や事業計画書(短期・中長期)などを
作成することがあります。
とは言っても、まだまだ経営者として駆け出しの身なので、
大した計画書を作成しているわけではありませんが・・・。

今回は、事業計画書のつくり方を一般論や自分の経験談を基にしながら、
これからコワーキングスペースやシェアオフィスで創業する方にとって
少しでもお役に立てればと思い、簡単にコラムを作成させて頂きました。

 

まず、創業期の事業計画書の存在意義ですが、

自分のアイデアや得意分野をどうやってビジネスにするのか、
それを論理的かつ具体的な数値に落とし込む作業をしなければ、
そのビジネスの可能性や大きさを判断することが出来ません。
よって、その業界のマーケットやその商品の市場分析をはじめ、
営業計画、収支計画、人員計画、キャッシュフロー計画を組みます。
結果としてどれほどの資金が開業当初に必要なのかを判断し、
さらにどこで黒字転換するのかを見極めたうえで、
資金計画やその資金の捻出方法を検討します。
この創業期の事業計画書は創業前後の羅針盤であり、投資家や顧客、
取引先などに対する会社概要、自己紹介にもなります。

私自身も、創業前に以下資料を作成致しました。

  • 何を強み・ウリにして何を売っていくのか。
  • 業界分析・市場分析・競合店舗マップ(創業当初、五反田駅に
    不動産会社が少なかったので、出店を決めました。)
  • 営業計画・人員計画(当初はほとんど資金もないので、
    大したこともできませんでしたが・・・)
  • 開業に必要な資金(登記や許認可の費用、事務所を借りる費用、
    人件費、ホームページ作成費用など)
  • 収支計画 ※損益計算書(稼げるだろう売上の予測と営業に必要な販管費を計算)
    ※固い金額にすることが重要。ついつい夢見がちになりやすいです。
  • キャッシュフロー計算書(創業当初において、支払の適正時期※〆払いの見極め)
  • 黒字転換時期の具体的かつ現実的な目標算出
  • 必要資金の金額算出と捻出方法の検討(自己資金OR金融機関OR VCなど)
  • 事業計画書のまとめ(これを金融機関や事務所の賃貸人、取引先に提出しました。)
  • 営業資料の作成

とは言いましても、いざ事業を開始するときは、
苦労して作成した事業計画書はそれとして、
あまり固く考えないことをオススメします。
事業を行っているといきなり突拍子もない仕事の依頼が飛び込んできたり、
面白い方に出会えたりなどで、違ったビジネスチャンスが広がることも
多いかと思います。
経営者はそのような嗅覚を大切にすることも重要かと思っております。

 

つぎに経営を続けていくと定期的に事業計画を作成する必要性が生まれます。

私の場合、半年に一度、短期の事業計画の作成を行い、
必要に応じて中長期の事業計画を改訂しております。
目的は、多岐に渡りますが、一番は当社従業員に対し、
この会社という船がどこへ進もうとしているのか、
どのような会社へなろうとしているのかを指し示す羅針盤が必要となるからです。
その為にどの程度の目標数値や行動計画が必要となるのか。
それが、当社従業員の行動規範にもつながっていき、
そして、顧客はその従業員を通して当社を評価することとなります。
結果として、当社のなかでは毎年少しずつ事業計画書の重要性が
増している感があります。

そのほか、会社が少しずつ大きくなるにつれて、
営業に必要な資金や投資する資金が拡大していきます。
そのために、マーケットサイズを理解し将来を予測し
必要な資金や先行きを計算すること。
また、投資家、金融機関、取引先との取引を優位にする為に、
当社の評価を高める決算書(BS・PL)に意図して持って行く必要もあります。
ついては、内部資料として精度の高い収支計画書やキャッシュフロー計算書、
減価償却計算書の作成を行う必要性が生じております。

ただ、いろいろ難しそうな話を並べましたが、最終的にはそれを簡潔かつ
分かりやすい計画に落とし込むことが重要です。
あまり細かく、ガチガチなものを作成することで、結果、
分かりづらく意思疎通が取れない、また全体の動きを
縮めることにも繋がることもあります。

 

さいごに、経営をする為には細やかな収支計画や資金計画が
確かに必要なのかもしれませんが、結局のところ、
市場に評価される企業や商品は、分かりやすくダイレクトに
顧客ニーズにメッセージが届くのかが重要だと感じております。
事業計画書を作成する大前提は、企業や商品の社会的価値、
誰に何を売るのかを明瞭かつ簡潔に書けるかどうかがポイントになります。
要は、売れるのか、売れないのかです。
その企業や商品に価値が付随しなければ、事業計画どころではありませんので。

 

最後まで、ご精読頂きましてありがとうございました。
あくまでも、私自身の経験や価値観に基づいて記載させて頂きましたので
どこまで参考になるか分かりません。
また、経営者はみなさんが独自のアイデアや価値観に基づいて
経営を行っているかと考えられますので、必要性や必要なデータも
ケースバイケースかと思われます。
また、このようなコラムを書かせて頂くときには、
もう少しいい記事を書けるよう、日々経営者として鋭意努力をさせて頂きます。
今後とも当社をよろしくお願いします。

 

株式会社WOOC 代表取締役阪谷泰之