インタビュー

Interview

vol.05

信頼関係を築く

李 博さん|エコプレイス駒込BIZcomfort亀戸(2013年4月~・2015年3月~)

プロフィール

中国山東省生まれ。中国の大学院を卒業後、2006年に来日。2013年、ソフトウェア開発サービスを行う株式会社Bene-grouperを創業。現在は、亀戸オフィスに本社を構え、中国の大連・上海に支社を持つ。来日してから学んだという日本語も堪能です。
株式会社Bene-grouper:http://benegrouper.co.jp/

会社の成長に合わせて部屋移動、オフィス移転

―日本でビジネスを始めようと思ったきっかけからお聞かせ下さい。 中国にいる私の親族も会社を経営していて、「日本で何かビジネスをしたら?」と提案されたのがきっかけです。私は大学院を卒業してから、コンピューターに関する仕事に携わってきました。なので、起業するなら自分の得意分野で日本に会社を作ろうと思いました。 ―自分もご親族と同じように経営者になることはずっと意識していましたか? 大学卒業後にそういう考えを初めて持つようになりました。でも、自信はありませんでした。私は技術者ですから、経営となると自分にやれるのかという不安はありましたね。 ―日本だと大学卒業後の進路として会社員が多いですが、中国はどうでしょうか? 中国は国を挙げて創業支援を行っていますので、起業する人もかなり増えていると聞きます。 ―日本で会社を作る際の手続きは何が必要になりますか? まずは、投資経営ビザ(※2015年より経営管理ビザに名称が変わっています)を取ることが必須です。 ビザを取るための要件として、「オフィスの確保」というのがあります。日本で拠点となるオフィスがなければ、審査に通りません。私の場合は、行政書士に依頼して、ビザ取得の手続きを代行してもらいました。 ―オフィスの確保が必須。その時にレンタルオフィスを選択されたということですね? そうです。その行政書士さんが駒込にあるビズサークルのレンタルオフィスを紹介してくれました。最初の3か月間は1人用部屋を契約していました。それで、社員を増やそうとしたら、「人数相応の部屋でないとダメです」と入国管理局から指摘されましたので、同じオフィス内の3人部屋に移動しました。その後、また人員を増やすために亀戸オフィスに移転を決めました。 ―最初に駒込の1人用の部屋を見た時に、小さいのに家賃高い!と思いませんでしたか? そうですね(笑)。でも、他のオフィスと比べたら、初期費用も月額費用もずっと安かったので助かりました。 -駒込オフィスから亀戸オフィスに移転する時は、既に実績も出来てきた時期かと思いますが、他の選択肢は検討されましたか? 全く無かったです。ちょうど亀戸が新しくオープンする時でしたので、一番広い部屋に決めました。窓がないのが残念ではありますが、それ以外は快適です。 -ビザの話に戻りますが、日本でずっと会社を続けるためには更新が必要なのでしょうか? はい。ビザの期限が来るたびに、入国審査に書類を出して、期間を更新します。事業に実績が伴わなければ、更新は認められません。 ―海外の方が日本で起業されるのは、とても難しく覚悟が必要ですね。 日本でビジネスを続けていくのは、やはり簡単ではありません。起業にあたり、今後はどのように展開していくか、競合はどのくらいいるのかなど、説得できる材料を揃え、結果を出さなくてはなりません。事業が始まってからは、私は信頼関係を築くことを大事にしてきました。信頼関係の大切さは日本で出会った方たちに教えてもらったことの一つです。 -厳しい条件をクリアしながら、会社を存続・成長させてきたのはとてもすごいことだと思います。レンタルオフィスからの卒業も考えているのでは? いえいえ、まだ小さい会社なのでそこまで大きなオフィスは必要ではないです。可能性としては、今後、大きなシステムを請け負うような場合、開発メンバーも多く必要ですし、専用のサーバーも必要となります。そうなると、レンタルオフィスの大きさ、セキュリティだと足りない部分も出て来るので、違うオフィスを借りなければならないことも後々あるかもしれませんね。  

信頼関係が結ぶ新しいつながり

―どのように仕事は受注されているのですか? お客様の「こういうシステムがほしい」という要望を受けて、当社で開発するパターンと、他の会社と複数社で提携して、システムを開発するパターンの2つに分かれます。後者の場合は、発注元の会社で仕事をします。取引のあったお客様が新しいお客様を紹介して下さることが多いです。信頼関係があってこそ、紹介いただけると思っています。 ―李さんはオフィス内で過ごすことが多いですか? 私は、営業活動も行っていますので外にいることの方が多いです。また、日本に来てから、ずっとお付き合いのある会社がありまして、1週間の半分はそちらにいます。現在、亀戸のオフィスを主に利用しているのは総務担当と営業の社員です。 ―創業から5年を迎えられますが、危機と感じる局面はありましたか? 昨年は、正直厳しかったです。12月に決算を迎えましたが、昨年は業績が落ちてしまいました。今年、どのように乗り越えていくか、勝負の年になると思います。ただ、明るい材料としては、昨年、大手企業と新しく取引ができました。新しい技術の開発も視野に入れて、時間をかけて実績をこれから積み重ねていきたいと思っています。進歩や変化の速度が速い分、遠い先のビジョンまで見通しがなかなか立てられないのがITの世界の難しいところです。 -新しい技術というのは具体的にどんなものですか? 現在は、人工知能とかビッグデータの開発が目覚ましいですね。当社は伝統的な技術を得意としていますが、将来性で言うと、先端技術を取り入れていかなければならないので、勉強をしています。 -IT業界に携わる他の利用者様にお話を伺った際も、この業界は勉強の繰り返しでついていくのは大変だとおっしゃっていました。 それは本当に感じます。同じ感覚ですね。 ―今後どのように活動を広げていきたいですか? 私は中国生まれですが、今は1年に1回帰国するくらいで、日本にいる時間の方が長いですし、来日してからも10年が経過しました。将来的に中国に戻るかどうか決めていませんが、日本と中国を結ぶビジネスモデルを作っていきたいです。日本にいても中国にいても仕事ができるような形が理想ですね。